LINEヤフー株式会社 企業分析

企業分析

今回はZホールディングス(ZHD)からLINEヤフー株式会社に社名変更する。ZHDの企業分析をしていきたいと思います。paypayの改悪やLINE LIVE・LINE BLOG・LINE OUTのサービス終了など選択と集中を進めている部分等も見ていければと思います。

Zホールディングス (LINEヤフー)概要

項目Zホールディングス概要
本社所在地〒102-8282 東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町
電話番号03-6779-4900
業種分類情報通信
英文社名Z Holdings Corporation
代表者名出澤 剛
設立年月日1996年1月31日
市場名東証プライム
上場年月日1997年11月4日
決算3月末日
単元株数100株
従業員数(単独)281人
従業員数(連結)23,705人
平均年齢42.9歳
平均年収10,740千円  2022年
特色yahoo.co.jpは国内2位のサイトアクセス。広告国内組1位。ECはアマゾン・楽天に続く3位。金融部分では楽天と激しく競争中。
セグメントメディア コマース 戦略事業

セグメント

続いてセグメントについて。都度セグメントは変更されていますが、23年5月6日時点では

メディア・コマース事業・戦略事業(PayPay他)に分かれています。

メディア事業 売上収益約4割

項目広告種別詳細売上シェア(%)21→22
YoY(%)
LINE広告ディスプレイ広告「LINE VOOM」、「LINE NEWS」、「トークリスト」、「Talk Head View」、「Talk Head View Custom」、その他15.2-3.6
LINE広告アカウント広告「LINE公式アカウント」、「LINEプロモーションスタンプ」、「LINEで応募」、「LINEチラシ」、その他13.318.3
LINE広告その他広告「LINEバイト」、その他0.4-16.5
ヤフー 広告検索広告Yahoo!広告「検索広告」31.45.8
ヤフー 広告ディスプレイ広告Yahoo!広告「ディスプレイ広告」(運用型) 等
19.50.4
ヤフー 広告ディスプレイ広告Yahoo!広告「ディスプレイ広告」(予約型) 等3.1-19.4
その他「LINEスタンプ」、「LINE GAME」、「LINE占い」、「LINE MUSIC」、「LINEマンガ」、その他
「ebookjapan」、不動産関連、「Yahoo!ロコ」、その他
17.1-12.1
合計1000.1

コマース事業 売上収益の約5割

項目種別詳細売上シェア(%)21→22
YoY(%)
物販ECショッピング事業Yahoo!ショッピング、ZOZOTOWN、LOHACO、チャーム、LINEショッピング、LINE FRIENDS、LINEギフト、MySmartStore、Yahoo!マートby ASKUL、LIVEBUY、海外EC135.4-0.2
物販ECリユース事業ヤフオク!、PayPayフリマ、ZOZOUSED7.22
物販ECアスクル単体 BtoB事業ASKUL、SOLOEL ARENA等37.46.7
サービスEC「Yahoo!トラベル」、「一休トラベル」、「LINEトラベル (台湾)」、その他2.948.6
その他プレミアム会員、アスクル BtoB事業 (インターネット経由以外)、バリューコマース、その他17.2-1.8
合計1003.1

戦略事業 売上収益 約1割

項目種別詳細売上シェア(%)21→22
YoY(%)
FintechPayPay連結PayPay PayPayカード67.8n.a.
FintechPayPay銀行15.418
Fintechその他金融PayPayアセットマネジメント、「PayPayほけん」、マグネマックス、「LINE Pay」、「LINE証券」、「LINEスコア」、「LINEポケットマネー」、「LINE BITMAX」、「LINE NFT」、その他13.427.9
その他AI、「LINE Search」、その他3.4-0.4
合計10073.3

Zホールディングス(LINEヤフー)の株価推移

まずは株価推移

※google ファイナンス

2022年11月19日、株価826円をピークに現在349円まで下落中。

時価総額推移

続いて旧ヤフーからZホールディングスの時価総額推移。

2021年3月 LINE(当時、時価総額約1.3兆円)のヤフーの統合により時価総額4兆円に到達するもその後、LINE・ヤフーともにメディア事業(広告)の成長が鈍化が要因で時価総額が下落傾向。2023年5月6日時点で2.6兆円。

ZホールディングスPBR推移

続いてZホールディングス(LINEヤフー)のPBR推移

2010年以降PBRは下落傾向。2023年5月6日時点でPBR0.9倍でIT企業で珍しく1倍割れ中。割安だと思います。

売上・営業利益推移

続いてZホールディングス(LINEヤフー株式会社)の売上営業利益推移を見ていきます。

売上(収益)は右肩上がりで進捗中。それに比べて営業利益が伸びていない点が、直近の投資家からの評価を落としているとも言えそうです。

Zホールディングス株式会社 2022年度通期決算

続いて直近の決算説明資料と補足資料を見ていきます。

まずは23年10月より社名を「LINEヤフー株式会社」に変更。合併と同時にヤフー・LINEのIDの連携を開始。重複事業などの統廃合など選択集中を加速させるとのこと。

売上収益の伸び +30%→+6.7%  EBITDAの成長率 12.4%→0.3%と成長は鈍化傾向

通期メディア事業はほぼ横ばい。

直近四半期についてはYoYでマイナス。LINEの広告収益が初のマイナス、その他売上収益-22.1%はLINEゲームなどが影響していそうです。

続いてコマース事業

続いて通期コマース事業について

販管費を抑制した結果 EBITDAは大きく改善YoYで-13.6%→+16.8%に。

直近四半期については物販ECのショッピング事業(ヤフーショッピングやzozo等)の収益がYoYで-11%で減少。ヤフートラベル・一休トラベルなどのサービスECは+26.7%で大幅増加。

続いて戦略事業

決算説明資料からもPayPayを除く戦略事業はYOYでマイナス。PayPayを含むと+73%で売上成長。メディア事業・コマース事業が大きく成長が見込めないと予想されているため、戦略事業の中の特にPayPayの売上が伸びて、いつ赤字を解消していくかが一番の注目ポイントになっています。

続いて23年度の業績ガイダンス(来期予想)

来期は増収増益想定で2桁成長を予定中コマース事業はEBITDAを+12%で予想 戦略事業も約200億のEBITDA改善を目指すようです。

その一環として赤字事業の終了(LINE LIVE・GYAO!の終了)重複事業の統廃合(LINE Bankの中止)、採用凍結などを行い事業の効率化を図るとのこと。

続いてLINE・ヤフーが合併後の実現予定と新戦略について

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LINEとヤフーが合併することでユーザメリットはヤフープレミアム会員だとLINEスタンプが一部無料で使える点や今後PayPayポイントとLINEポイントが統合され相互利用しやすい環境が整う予定のようです。

まとめ 投資判断

株の旅中の人としては2点に注目しています。

  1. LINEヤフー合併による収益性改善が実現するか? Zホールディングス時点でサービス連携が進まなかった点が今回解消され、重複サービスの統合が本当に進むのかどうか。
  2. PayPay 改悪後の反応と黒字化 売上成長は申し分ないし、国内で独占的なマーケットシェアをすでに獲得している認識。投資家的には黒字化が本当にできるのか?に注目が集まっていると思っています。PayPayの改悪=収益改善のため、改悪をしてもユーザが離れない丁度よいラインをうまく攻めていけるか。PayPayのMTU(月間決済ユニークユーザー数)が減少していないかを注視していきます。

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