今回はヘアケア・美容家電を中心に新興の消費財メーカーの株式会社I-neの企業分析をしていきたいと思います。
I-ne まとめ
まず、まとめからPBR4.7倍・PER22倍とも現在高めですが下記理由から購入を検討中。
強み
- OMO(Online Merges with Offline) オンラインで流行らせた商品をオフライン店頭の知見
- ファブレス(fabless)製造メーカー 小ロットから市場に投入できる強み
- ブランド力により一般メーカーより価格の高いラインで勝負ができている。 BOTANIST・SALONIA・YOLU
課題(成長余地)
- 海外展開 中国市場でまだ存在感が出せていない。→中国での代理店を変更。今後の業績に注目
I-ne(アイエヌイー)企業概要
項目 | I-ne(アイエヌイー)の企業概要 |
---|---|
本社所在地 | 〒530-0005 大阪市北区中之島6-1-21 |
電話番号 | 06-6443-0881 |
業種分類 | 化学 |
英文社名 | I-ne CO., LTD. |
代表者名 | 大西 洋平 |
設立年月日 | 2007年3月28日 |
市場名 | 東証グロース |
上場年月日 | 2020年9月25日 |
決算 | 12月末日 |
単元株数 | 100株 |
従業員数(単独) | 286人 |
従業員数(連結) | 295人 |
平均年齢 | 34.9歳 |
平均年収 | 5,950千円 |
連結事業 | ヘアケア製品 65% 美容家電が30% その他5% 海外比率は2% |
特色 | ヘア・ボディケア「ボタニスト」と、美容家電「サロニア」。新ブランドのYOLUがヒット中。デジタルマーケティングに強み |
I-ne(アイエヌイー) 株価推移
続いて株価推移を見ていきます。

2020年上場後2022年1642円にまで下落。その後じわじわと上昇。上場時の株価を超えている状況になります。
I-ne(アイエヌイー) 売上・営業利益推移
続いて売上・営業利益推移を見ていきます。

2017年~2020年の停滞期がありましたが、ここ2~3年で売上・営業利益とも新製品のYOLUのヒットもあり伸ばしてきています。
I-ne(アイエヌイー) バランスシート
続いてバランスシートをみていきます。

ファブレスメーカーということもあり固定資産が10%以下 流動資産も多く非常に健全性の高い
バランスシートと言えます。
I-ne(アイエヌイー) PBR PER推移について

続いてPBR PERを見ていきます。PERは20倍と割高PBRも4.7倍推移
I-neの強みと成長可能性について
続いて事業計画及び成長可能性に関する事項 を簡単に見ていきます。

製造工場を持たない(ファブレス)ため、機動力を上げて新ブランドを開発・撤退が可能

自社内でクリエイターが67人在籍 ブランドクリエイティブにも強みがあります。

IPTOS(ヒットを再現できるブランドマネジメントシステム)
一般的なメーカーは調査に工数をかけ、初動から大量生産を行うため企画から販売までのリードタイムが長くなりがち、I-neは市場で流行りそうなものを独自システムで検知・小ロットを生産し販売後に小売に拡大する方法を取っているとのこと。オンラインでの実売データから卸の需要予測の精度を上げることに注力しているようです。

美容開拓層・美容フォロワー層の感度の高いユーザに対してはオンライン(SNS中心)にアプローチを行い、オフライン(店頭)販売で美容マス層にも販路拡大する戦略を取っています。


I-neの海外売上は15億で約2% グローバルのビューティ・パーソナルケア市場規模が60兆円と成長余地のある市場でもシェア拡大ができるかで大きく株価が化ける可能性があると期待しています。
I-ne 2023年12月期 第1四半期 決算説明資料 2023年5月12日
続いて直近の決算説明資料についてみていきます。

まずはサマリー1Qは計画を上振れで進捗中。

売上は前年同期比で+20.3%で成長

営業利益は△15.4%とマイナス。 広告販促費率は10%~15%で推移

続いてカテゴリー別売上を見ていきます。
ヘアケア・美容家電とも前年比プラスとなっています。大きく伸びているのがYOLU・ナイトケアシャンプーという新しいコンセプトシャンプーがヒットが大きいようです。
続いてブランド別の売上進捗を見ていきます。

主力のBOTANISTが前年比マイナス成長なのは気になりますね。

SALONIAについては高価格帯アイテムが好調でプラス

続いて第3のヒットブランド「YOLU」 #夜間美容シャンプーというハッシュタグでSNSからヒット。3倍以上の成長で今期の業績に大きく寄与しそうです。

続いてグローバル 現在は経営資源集中のため中国進出がメイン。日本よりSNSマーケが進んでいて、中国内の新興メーカーとの競争が激しい中受け入れられるのか注視したいところです。

続いて新ブランド「Aquall」の投下 2Q以降の売上インパクトがどう出てくるか期待です。

続いて CHILL OUTブランドの譲渡 譲渡価格は約30億予定 2Qで特別利益予定
まとめ
新興美容系メーカーとしての上場企業として北の達人などがありますが、オンライン・オフラインとも強く、自社でのデザイン力・SNSマーケティングの強さなどでI-neが一つ先行していると思います。中国での販売シェアが伸びる状態が再現できれば株価上昇が期待できるため、もう少し株価が下がったタイミングで購入してみたいと思います。
百聞は一見にしかずなので強化している「YOLU」のブランドサイトとSNSをフォローしてみると一歩先のデザインだと実感できると思います。
株式会社I-ne 有価証券報告書
有価証券報告書
第16期(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) 株式会社I-ne
連結経営指標等 | 4年前 | 3年前 | 2年前 | 1年前 | 2022年 |
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売上高 (百万円) | 20,571 | 21,206 | 23,363 | 28,397 | 352,690 |
経常利益 (百万円) | 273 | 649 | 1,389 | 2,330 | 34,690 |
親会社株主に帰属する当期純利益 (百万円) | 162 | 464 | 905 | 1,244 | 19,270 |
包括利益 (百万円) | 162 | 450 | 861 | 1,251 | 19,160 |
純資産額 (百万円) | 1,305 | 1,775 | 6,939 | 8,415 | 103,310 |
総資産額 (百万円) | 10,617 | 9,440 | 13,165 | 14,060 | 164,900 |
1株当たり純資産額 (円) | 17.06 | 48.83 | 399.83 | 481.37 | 591 |
1株当たり当期純利益金額 (円) | 6.28 | 29.14 | 61.6 | 71.49 | 110.23 |
潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額 (円) | - | - | 58.76 | 68.93 | 106.54 |
自己資本比率 (%) | 12.3 | 18.3 | 52.7 | 59.9 | 62.7 |
自己資本利益率 (%) | 12.9 | 30.7 | 20.9 | 16.2 | 20.6 |
株価収益率 | - | - | 26.0 | 23.6 | 26.9 |
営業活動によるキャッシュフロー (百万円) | -257 | -853 | 2,743 | 573 | 12,350 |
投資活動によるキャッシュフロー (百万円) | -130 | -277 | -41 | -118 | -19,730 |
財務活動によるキャッシュフロー (百万円) | -402 | -1 | 2,214 | -739 | -6,660 |
現金及び現金同等部の期末残高 (百万円) | 2,954 | 1,822 | 6,741 | 6,199 | 47,990 |
従業員数 | 234 | 240 | 272 | 289 | 294 |
1株当たり配当額 (円) | - | - | - | - | - |
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