ファスト&スローを読んで

会社の同僚から勧められた書籍「ファスト&スロー」を今読み進めていますが、めちゃめちゃ面白いです。文章が難解でサラッと読める本ではないですし、自分も30%くらいしかできていないと思いますが、人はいかに意思決定で間違いが起こりやすいのかをいろいろな事例とどういうプロセスで発生するかを教えてくれます。この本は自分が賢いと思っている人や合理的な判断が得意だと考えている人にぜひ読んでほしい本です。

ファスト&スローのまとめ

『ファストアンドスロー』において、著者は人間の思考を2つのシステム、システム1とシステム2に分けて説明しています。システム1は直感的で自動的な思考を担当し、システム2はより複雑な問題に対してより深く考えるように設計されています。システム1に頼りすぎることが誤った判断を導く可能性があるのですがシステム1が非常に強力で、システム2を稼働しようとしても、システム1で一度答えを出してしまうと、それが間違いであってもなかなか気づけないらしいです。どんなに賢い人でもシステム1が強大でシステム1による認知判断が間違っている場合もあることを自覚したほうが良いとアドバイスしています。

システム2が息をしているかチェック問題

例えの例で出されているのは

バットとボールの問題。

Q

バットはボールより1000円高い、合計金額が1100円の場合バットは何円でしょう?

A 答えは1000円。

と思った方は、システム1にやられています。。

正しくは1050円。

問題2

10階建てのビルがあります。1階上がるためには11段上る必要があります。

10階まで上るのに何段上る必要があるでしょうか。

A 答えは110段

Aではなく 99段です。

問題3

5台の機械で5分間で5個のおもちゃを作ります。

100台の機械で100個のおもちゃを作るには何分かかりますか?

A 答えは100分

Aではなく5分です。

こういう問題について間違った答えが頭に浮かぶのはすべてシステム1の影響です。

問題に出されるとひっかけと警戒をしてじっくり考えるシステム2を意識的に使って正解を出せる方もいますが、普段の生活だと、無意識にシステム1だけで判断して誤った判断をしている場合が多いし、自分では気づけないみたいです。

この本を読んで

まずは自身の認知がシステム1によって誤った判断をしている場合があるという点を意識したいと思いました。また、営業として対顧客に対してもシステム1を活用して営業の効率を高められる点も活かしたいと思いました。

ファスト&スローで出てくる用語について

プライミング効果

ある刺激が人々の反応に影響を与えるという現象。

例えば、ある人々に「優しい」という言葉を提示すると、その後の質問に対してよりポジティブな回答をする傾向があるとされています。

統計より因果関係を重視

決断力・挑戦的な性格の人を見て、職業が起業家であると考えてしまうなど、実際はサラリーマン

のほうが多いため、性格からの職業傾向を加味してもサラリーマンの可能性の方が高いのに確率的な思考ができない場合がある。

利用可能性カスケード

人々が他の人々の意見に基づいて判断を下すことがある現象です。つまり、人々が自分自身の判断を下す代わりに、他の人々の意見に従って判断を下すことがあるということです。この現象により、人々は自分自身の判断を下すことを避けることがあります。利用可能性カスケードは、特に新しいまたは未知の製品やサービスにおいて、より顕著に現れる傾向があります。

アンカリング

アンカリングとは、人々の判断を特定の数字や情報に基づいて行う傾向がある現象です。たとえば、ある商品の価格が10,000円であることが知らされた後、同じ商品を9,000円で購入できると知らされた場合、9,000円は「安い」と感じられる傾向があります。このように、最初に提示された数字が人々の判断に与える影響をアンカリング効果と呼びます。

ヒューリスティック

  1. 代表性ヒューリスティック
    • ある事象がどのクラスに属するかを判断するとき、その事象がそのクラスの典型的なものであると思う傾向がある。
    • 例:「彼は芸術家だから、恋愛感情が豊かで自己中心的なのかもしれない」
  2. 可用性ヒューリスティック
    • 思い出しやすい情報は、重要性が高いと判断される。
    • 例:「テレビでジェットコースター事故を見たので、ジェットコースターは危険な乗り物だと思う」
  3. アンカリング&調整ヒューリスティック
    • 最初に提示された情報(アンカー)に影響され、その後の判断が歪められる。
    • 例:「あの商品は10万円だから高いと思う」「しかし、他の店の同じ商品は5万円で売っている」
  4. 前提条件ヒューリスティック
    • ある事象が発生する条件が成り立つと仮定し、その条件が成り立っていると判断される。
    • 例:「酔っている人は車を運転しないものだという前提がある」
  5. 帰属ヒューリスティック
    • ある行動や出来事に対して、人や物事が原因として帰属される。
    • 例:「彼女に振られたのは、自分が魅力的じゃなかったからだ」
  6. 認知的閉塞ヒューリスティック
    • 新たな情報を受け入れることが困難になる。
    • 例:「自分は常に正しいと思っている」「自分の信じること以外は信じられない」

平均回帰

平均回帰とは、統計的にはるかに異常な値が検出された場合、次回の測定ではより中間の値が観察される傾向があることを指します。値が極端に異常だった場合、次回の測定ではより平均的な値が観察される傾向があるということです。

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