宇宙関連銘柄!スカパーJSAT 企業分析

企業分析

今回は、スカパー!加入者減少が続いているにもかかわらず、スカパーJSATホールディングス(9412)が株式を購入したということで、企業分析を行いたいと思います。

スカパーJSATホールディングス 企業概要

スカパーJSATホールディングスは、日本のメディア・通信企業です。主に、衛星放送事業「スカパー!」をはじめとした放送事業を展開しています。また、通信衛星の所有・運用も行っています。

項目スカパーJSATホールディングス 概要
本社所在地〒107-0052 東京都港区赤坂1-8-1 赤坂インターシティAIR
電話番号03-5571-1500
業種分類情報 通信
英文社名SKY Perfect JSAT Holdings Inc.
代表者名米倉 英一 (伊藤忠商事からの出向)
設立年月日2007年4月2日
市場名東証プライム
上場年月日2007年4月2日
決算3月末日
単元株数100株
従業員数(単独)33人
従業員数(連結)726人
平均年齢50.3歳
平均年収12,710千円
連結事業メディア事業(スカパー・FTTH等):55%  宇宙事業 45%
特色衛星通信サービス提供等の宇宙事業と、有料放送「スカパー!」等のメディア事業 宇宙事業が成長、メディア事業は徐々に縮小想定

スカパーJSAT 沿革

続いて沿革をまとめていきます。

年月出来事
1989年民間初の通信衛星「JCSAT-1」成功
1992年日本初の受託衛星放送サービスの開始
1996年CSデジタル放送「パーフェクTV!」開始
1998年スカイパーフェクTV!開始
2007年4月(株)スカイパーフェクト・コミュニケーションズとJSAT(株)スカパーJSATホールディングスに経営統合
2008年4月宇宙通信(株)と合併
2011年「スカパー!オンデマンド」開始
2016年低軌道衛星関連事業の加速化
2020年世界初 宇宙ごみ除去システム衛星の設計・開発に着手
2021年NTTと新たな宇宙事業のための業務提携契約を締結
2022年SpaceX社とSuperbird-9の衛星打ち上げサービス調達契約締結

2016年以前はメディア事業2016年以降は徐々に軸足が宇宙事業に向いているのがわかります。

スカパーJSAT 売上営業利益推移

続いて売上と営業利益の推移です。2017年をピークに売上は減少傾向、営業利益は100~200億で安定しています。

スカパーJSAT バランスシート

スカパーJSATホールディングスのBSについて22・23年度で大きな変化はありません、自己資本比率も60%を超えており現状問題は見られません。

スカパーJSAT 株価推移について

※Google ファイナンスより引用

続いてスカパーJSATの株価推移となります。比較として有料衛星事業者のWOWOWを出しました。有料映像配信の事業しかないWOWOWは厳しそうです。

スカパーJSATの時価総額推移

続いて時価総額について

2015年時価総額が2300億近くまでありましたが、現状は1500憶を推移中。

スカパーJSAT PBR推移

続いてスカパーJSATのPBR。2023年3月31日時点で0.59倍と1倍を切り割安になっています。

WOWOWとの各種比較

スカパーJSAT WOWOWとも売上CAGRはマイナス。事業転換・コスト圧縮を早いタイミングから着手していたこともあり営業利益のCAGRではスカパーJSATがプラスに対しWOWOWはマイナスとなっていました。

スカパーJSATホールディングス 2023通期決算説明資料

ここからは直近の決算資料を見ていきます。

売上はほぼ横ばいも営業利益はプラス18%で良い着地。

宇宙事業はJCSAT-1C、Horizons 3e衛星通信サービスの売上増加により増収増益。

続いてメディア事業は減収が続くもコスト削減を粛々と進め 営業利益はプラス。

来期予想はほぼ横ばいと少し辛い予想。

セグメント予想は宇宙事業は増収増益。メディア事業は減収減益。営業利益でみるとメディア事業のシェアは1割弱に。会社としては宇宙事業に事業転換したと言えそうです。

2030年までの中・長期の目標として当期純利益250億円を目指してくれるようです。現在23年度は当期純利益が158億円なので約1.6倍なので少し保守的な気もしています。

宇宙事業では 宇宙統合コンピューティング・ネットワークに向けて準備を進めているようです。宇宙統合コンピューティング・ネットワークは、スカパーJSATホールディングスが進めている宇宙事業の一部であり、宇宙にある複数の衛星や地上の通信ネットワークを統合することで、高速で安定した通信環境を実現するためのプロジェクトです。災害時のネットワーク補完などの需要があります。電気・ガス・水・通信はすでに不可欠なインフラのためこれから伸びる産業と踏んでいます。

※参考 NTT技術ジャーナル

メディア事業の中・長期戦略は、放送から配信(主にインターネット)とリアル体験に力を入れていくとのこと。ここでは放送と配信をキッチリ分けていて、オンデマンド(見たいときに見る)に世の中の流れが進んでいる点にアジャストできるかどうかポイントとなりそうです。

まとめ

株の旅人中の人は、23年4月にスカパーJSAT株100株を購入しました。数か月前から決算資料等を見ており、世間の印象(スカパー!)メディア事業の印象が強かったため、実際は宇宙事業が営業利益も大きく、過少評価されていると思い購入しました。宇宙ビジネスは市場規模が100兆円まで成長する分野と言われていますが、専門的な分野であり、個人投資家がビジネスモデルをイメージしにくい部分もあります。しかし、入念な分析を行えば勝機があると考えています。

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